共感満足と共感疲労

室長ブログ

 子どもの成長や、子どもの成功に、自分のこと以上に喜び幸せを感じる。これを共感満足と言います。親が、我が子に感じる思いと同じです。

 教師という職業を選択した人の多くは、この共感満足の感度が高いと思われます。子どもが好きだという思いが強いと、子どもへの共感満足が高いのは自然なことでしょう。教師の遣り甲斐や使命感も、この共感満足と比例しているように思います。 

 何十年ぶりの同窓会で、出会う教え子の成長には、素直にその成長を喜ぶと共に、教師でよかったと、自身の人士を肯定できる瞬間でもあります。

 

 それ故、子ども(教え子)の失敗や、病気、不幸には、誰よりも辛く悲しみを覚えます。これは、共感疲労と呼ばれる症状です。

 この2年以上も続くコロナ禍では、学校行事の中止や縮小、授業のオンライン化、触れ合う機会の激減、ソーシャルディスタンスが心の距離も遠ざけるといった状況で、先生方の共感満足の機会が減り、様々な不安と心配で、共感疲労が蓄積しているのではないでしょうか。

 

 この心のメカニズムに気付くだけで、気持ちを切り替えることができます。何か、充足しない空虚感は、共感疲労にあるのだと。

 できないこと、変わってしまったこと、他者への心配、見通しのない不安、その事にのみ心を奪われていれば、いつまでも心のしんどさや、満足感のない空虚さに苛まれるのではないでしょうか。

 

 現状に、細心の注意を払いながらも、この機会にできる事、この機会だからやらねばならないことを、探してみましょう。

 そして、あなた(先生)自身が、前に踏み出すことで、必ず、あなたの周りにいる子どもたちを元気づけることになると信じます。

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