カウンセリング事例 <中学校教師>

室長ブログ

 公立中学校 50代 男性教師 B先生。教科は、体育。

 部活指導や生徒指導にバイタリィティ溢れる中堅教師。生徒にも、教員間でも影響力があり、存在感がある。

 近年発達障害への理解も広がってきたとはいえ、多動性があったり、こだわりの大きな生徒に対しては、ただ厳しく接するだけの先生も多い。そんな中、生徒指導面では厳しい対応をされるB先生だが、不登校生徒や発達障害がみられる特別支援学級の生徒への対応は、柔軟で、優しい。

 

 その学校の職員研修で、トラウマについて話をした。その研修を終えて、控室に居ると、B先生が話しかけて来られた。「少し、相談があるのですが、宜しいでしょうか?」

 

 お話を伺うと、「子どもが、トラウマ症状で苦しんでいる。いくつかの病院にもかかったが、好転しない。今回、新しい病院を紹介されたが、うまくいくか不安である。」

 

 もう10年近くも治療を続けている。パニックになると、付き添いが必要ということで、先生ご自身も疲弊されている。

 お話を伺うまでは,全くそのようなことを想像しなかったので、職場の姿と家庭での様子は違うという事が、どの先生にもあるのだという事を改めて感じた。

 

 その後、何度かお話を伺う機会があった。症状は、一進一退。トラウマ治療は、心理士にとっても難しく、経験や専門的な技法を必要とする。それだけに、クライエントと心理士との相性も大きい。いつか、お子さんと共感できる心理士との出会いの下で、改善されていくことを祈っている。

 

 クライエントと心理士の出会いは、“邂逅”という言葉が最も相応しいように思う。私が、本ホームページを開設しているのもそのためである。ホームページを読んでいただいて、私という「人」を知ってもらって、「この人なら相談してみよう」と、思われて、連絡を頂いています。そこに“邂逅”があり、それ故、カウンセリングが成立するのではないか、と考えています。

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