事例 2年目教員 「休職中です」

室長ブログ

 地方からのお電話での相談です。

 電話をかけて来られたのはお母様です。娘さんが、昨年大学を卒業して、小学校の教員となられた。初任の後半にクラスが落ち着かなくなり、娘さんも、体調を崩されて年休をとられることが多くなりました。

  そのことも有って、2年目は特別支援学級の担任となりました。しかし、特別支援教育は、専門でもなかったので、次第に学級経営に自信を喪失し、次第に学校に行けなくなりました。

 結局、1学期の途中で休職し、9月復帰の予定となりました。休職中、家では、休養を中心として、ゆっくりと過ごされました。体調も良くなり、夏休の後半は、復帰の準備の為、生活のリズムも整えられていきました。

 しかし、夏休の終わりごろ、いよいよ学校に復帰となると、動悸が激しくなり、情緒も不安定になってきました。結局、年度末までの休職となりましたが、自責の念が強く、更にふさぎ込むようになってしまいました。

 お母様から電話を頂いたのはこの頃です。

 お母様の心配は、元気を失い、ふさぎ込む娘さんの現状への不安です。また、休職を続けることで、復帰が一層難しくなるのではないかとの恐れです。何とか励まして、早期復帰ができないかとの相談です。

 本来明るく、活動的だった娘さんの現状を見守ることの辛さに共感すると、堰を切ったように、最近の娘さんの状況をお話しなさいました。お話の中で、以前の娘さんの姿と今を比較して心配を話されることが気

にかかりました。

 「今の娘さんの姿は、心の不調にあることからの状況です。不調が治れば、必ず元の姿に戻りますので、見守って行きましょう」と、お伝えしました。その為には、今はむしろ、復帰を急ぐのではなく、ゆっくりと休養することが肝心だとお話しました。

 娘さん自身も、休んでいることに負い目を感じていて、焦る気持ちがさらに現状を悪くしている模様です。

 その気持ちは、子どもたちへの責任感であり、決して悪いことでは有りません。ただ、その責任を果たすためには、今は回復に全力を尽くすことが最優先です。思い悩むことが、それがまたストレスとなって、体調に影響します。ストレスを軽減するリラクゼーションについてお話をしました。

  その時まで、私とお母様の遣り取りを一緒に聞いておられた娘さんに、「お電話を娘と代わっても良いですか?」と、お母様からの提案です。

 「はい。直接お話ができるのは嬉しいです」 と,お応えして、娘さんが電話口に出られました。

 現状を尋ねて、休養の大切さをお伝えして、具体的なリラクゼーションの方法についてお伝えしました。

 そして、ストレスの継続が良くないことを伝え、ストレスを断絶するための気持ちの切り替え、気分転換、ストレスからの離脱法などについてお伝えしました。

  娘さんのお声も少し元気になってこられたのを確認して、カウンセリングを終えることになりました。そして、復帰が近づいてくる頃に、また気持ちの変化があるかも知れない事、また復帰に当たっての心や仕事の準備に関しては、その時期が来たら再度、ご連絡を頂くことを約して、終了いたしました。

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