カウンセリング事例 中学校女性教員

室長ブログ

 30代、中学校の女性教員、教科は国語 D先生。

 学年に10クラスあるマンモス校に、今年異動してきた。生徒は、落ち着いているが、3年前までは市内でも良く知られた荒れる学校であった。3年前を知っている先生方は、学校の規律やルールには厳格で、その結果、現在の落ち着いた学校生活が成立していると考えている。

 

 D先生は、赴任前の学校は小規模校で、家族的な雰囲気の強い学校であった。対生徒に対しても、子どもに寄り添いゆっくりと話を聞きながら指導していくタイプと言える。

 

 D先生の指導の仕方が、時には学年の生徒指導方針と合わない場合があり、その事を、他のクラスの先生から指摘されることがあった。

 

 最初は、クラスの生徒のことでと相談があったが、その話が一段落すると、「私のことで、聞いて欲しいのです」と、話始められた。

 

 「私の(生徒指導の)やり方が悪いのかも知れませんが、私のやっていることを、学年の先生から否定されるのです。」と、涙ぐみながら訴えられる。

 どうも生徒に甘いと言われるらしい。中学校現場には、厳しくすることが学校秩序を維持するために不可欠であるという考えは根強くある。甘い顔をすると、そこから崩れていくと考えている。

 

 長年、中学校に勤務してきたが、厳しさは必要だが、厳しすぎるだけでは十分ではない。生徒の、甘えや不満を受け止める先生の存在が無いと、却って荒れてしまう。それ故、学校では必然的に先生方の中に、時には一人の先生の中で、厳しさと優しさを役割分担する仕組みが存在する。

 

 しかし、そのことを私自身、若い時には理解していなかった。年配の“優しい先生”を内心は馬鹿にしていた。大きな声で、子どもに強く当たり、それに従う子どもたちを見て、自分の力を過信していた。その間違いには、自分の力づくの指導に限界を感じた時に、ようやく気付いた。

 

 上記の、私の体験をD先生に話しながら、D先生だからできることをやればいいんだと

お伝えし、何ができるかを一緒に考えていくこととした。

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