教師の困りごと 騒がしい教室を どう静かにさせるのか?
室長ブログ
2025.6.9
昨年度、新入学の小学1年生の教室が落ち着かない。ベテランの女性教師が、丁寧に話しかけ、説明するも、先ずじっとしていません。
30数人の在籍は、1年生では大変です。支援の先生も複数人、教室に入って対応するが、治まらない。発達特性を持つこどもがじっとしておられないので、それに影響されて、教室全体が落ち着けないのです。
こども園では、食事の時間以外での、指定された机椅子に着席する習慣がないところが多い。小学校の生活は、自席着席が基本で、多くのこどもはすぐにそれにも適応していくが、いつまでも馴染めない子どももいます。その子が動き回ると、学級全体が落ち着かなくなります。
1学期を経て、離席の子どもは激減したが、身体の揺れが止まらない。机に伏せてしまう子や、座席に両足を乗せて蹲踞(そんきょ)のように座っている子。からだ全体が横や後ろを向いている子。自ずから、私語となり、やがて周囲にちょっかいをかける始末。
「黙りなさい」「前を向きなさい」「ノートに写しなさい」、担任の先生の叱責の声が響く。本気で、怒った時にはさすがに一瞬は「シー―ン」とするが、そんな状況は続かない。
先生の声が絶えず響いているのは、2学期3学期も同じだった。
同じ年、別の小学校でも、同じ様子だった。こちらも、ベテランの女性の先生が、担任だった。
心療内科で薬をもらっている子や、急遽、発達検査を受ける事になった子もいます。学期を追うごとに離席や、私語の割合は減ってきたが、教室はなかなか落ち着きません。
そうして、1年生は修了しました。
新年度が始まりました。彼らは、共に2年生に進級。どちらも、学年1クラスの小規模校で、クラス替えは無くの進級です。
前述した 2つ目の学校には、SCとして、月に1回の訪問します。
あの1年生が激変しました。
担任は、変わられたましが、同じく女性のベテランの先生です。
4月の後半に訪問した時は、新1年生の「学校探検」の日で、あの2年生(昨年度の1年生)が、小グループで、1年生を学校探検に誘導していました。
1年生の手を引いたり、各部屋の前で、入室の仕方や何の部屋かを説明しています。今年の1年生は、さらに少人数で、一人の1年生に2人、2人の1年生に3人が担当する形。手を引いてあげる子、説明をする子、案内をする子など、2年生が大活躍です。
昨年度の、落ち着かない1年生ではなく、後輩を案内するたくましい2年生になっていました。「役割が人を作る」とは、まさしくこのことかも知れません。
5月には、今年度2回目の学校訪問です。
2年生の クラスを見に行きました。
国語の時間。国語で、漢字の学習です。
子どもたちは、片手を上に上げて、筆順ごとに 空書きします。「田」
1,2~,3、4、5 と、クラスで一斉に大きな声で数えながら 電子黒板に示される手本を見ながら 描いていきます。
空書き の次は、各自の漢字ドリルに記入します。
この時も、子どもたちは 一人ひとりが 1,2~,3、4、5 と声を出しながら 書いていきます。漢字ドリルに。4回書き終えると終了です。
最大限の大きな声を出し切って 書き終えた子供たちは 静かに 先生の次の指示をまっています。
そうなんだ!
昨年度、落ち着かないこどもたち。
静かにさせるために「黙って」「姿勢を正して」「よそ見しないで」「何回もいってるでしょう」と、ついつい、強い言葉が多くなっていたかも知れない。
うるさくなることが多い学級だったが、学級劇や音楽会、図工作品には、一生懸命だった。エネルギーに溢れていた。うるさいのは、エネルギーが溢れていたのではないか?
1年生をリードする役割に、すごいエネルギーを出していました。
漢字の空書きに 精一杯の掛け声を出して 頑張っていた。エネルギーを出し切ったあとは、笑顔で、そして静かに、次の指示を待っていました。
エネルギーの出し方が分からなく ついつい 余計なことに エネルギーを使っていた?
彼らの持つ 溢れる 意欲と エネルギーを 出し切る課題こそが 重要なんだ!と